人には、本能的に自然へ回帰しようとする心があります。それは、普遍的な美の要素が、自然に存在するからです。人は美を見て、美に触れ、美を身につけ、美に囲まれて安らぎを覚え、幸せを感じ、生きる力を湧き起こします。 そして、また美を求めます。 人の美への欲求は限りなく、かつてより、人は自ら美を作り出そうとしてきました。その視覚的・空間的な表現は、自然を模倣することに始まりました。 やがて、対象やテーマの本質のみを取り出して視覚化しようとする抽象芸術に向かいました。更に、より自由な表現方法で次々と新しいアートが生まれました。現代にいたって、美の解釈は自然から乖離したとさえいわれます。 斬新な表現は、珍しいものへの驚きと刺激に、人を愉しませる価値があります。しかし、安らぎを覚え、幸せを感じ、生きる力を湧き起こす「美」はまた異なるものと思います。 平凡非凡に関わらず、普遍的な「美」を感じさせる作品には、どこか自然の趣きを感じます。それはとりもなおさず、美の原点が自然にあるためなのです。 |